アンダーズ上海と、これからの日本料理店
ここ最近、ホテルを訪れる機会が続きました。
印象的だったのは、アンダーズ上海に今年登場した「88 Sushi /Bento/Bar」。中2階のスチールコクーンを利用したスペースにあります。
インテリアはモダン&エキゾチック。カウンターのあるジャパニーズダイニングです。
日本のインテリアデザイン会社Tofuが手がけたモダンな空間。異国情緒も感じられます。
ランチは松花堂弁当(188元)と雅弁当、ちらし定食(各138元)の3種。
二段重ねの大きな木のお重に詰められた、目にも美しいお弁当です。味噌汁と茶碗蒸し、デザート付き。
松花堂弁当。個人的な感想としては、茶碗蒸しやお寿司は日本の味とは少し違うかなと思ったものの、お惣菜はどれもいい感じにまとまっていました。たぶん、上海人も好きな味。
夜は単品でも頼めるので、洗練されたダイニングバーのようにして使うといいかもしれません。値段も上海のラグジュアリーホテルにしてはおトクだと思います。
料理長は日本人です。中国でのホテル経験が長く、なんと上海語も堪能。また、アンダーズ上海のダイニングを総監督するエグゼクティブシェフのジャクリーン・チウさんが時々チェックに回って来ます。
ジャクリーンさんは中国でとても有名な上海出身の女性シェフ。以前はパークハイアットでも料理長を務め、料理にも人にも真摯で温かい姿勢が魅力的な人です。中国人や欧米人の心にも響く細部まで気の利いた店のつくりは、彼女の目が行き届いているからこそかもしれません。専門がフレンチであるジャクリーンさんの姿をジャパニーズダイニングでも見かけることができるなんて、なんだか感動。
宇宙船のようなスチールコクーンの中に「88」があります。
東京や京都で本場の和食を味わったことのある中国人が急増するにつれ、上海にある日本料理店への見方が以前よりシビアになってきているように感じます。味だけでなく、サービスやインテリア、価格設定も含めて。
もしかすると上海の日本料理店はこれから一気にレベルアップしていくかもしれない。
「88 Sushi /Bento/Bar」を訪れ、そんな予感を抱きました。
アンダーズ新天地上海 88 Sushi/Bento/Bar
嵩山路88号