ようこそ上海へ! 心なごむ「眞田食堂」
「眞田食堂」に行ってきました!
小樽の有名な旅館を経営されている真田俊之さんが、昨年の12月に上海に開いたお店です。
真田さんとは昨年、上海で偶然に何度か顔を合わせる機会があり、もうすぐお店を開くという話を聞いていました。日本酒バーCordurovのイベントでの料理が美味しくて印象的だったので、いつできるのかなあと楽しみにしていました。
場所は進賢路にあります。この通りにあるというだけで期待感が高まります。
上海の昔ながらの家庭料理を出す小さな店が並ぶ通りで、美味しいものが大好きな人たちが集まるエリアなのです。
既に超人気店だという噂を聞き、予約をしたのは6時。
くぐり戸のような雰囲気のある扉を開ける前に、私はこのマークに目が釘付け。
これは…
もしかして、もしかして、六文銭の家紋では?
ということは、あの戦国武将の……? 真田幸村の家紋!?
ご本人に聞いてみると、本当に真田一族の末裔だそうです。おおーー、ようこそ上海へ!
六文銭は三途の川を渡るときの渡し賃を意味し、つまり、真田幸村は死を覚悟して戦にのぞんでいたということだそう。
この家紋がスタッフの制服にも入っていて、なんだかカワイイのです。
お店はそんな真田さんが自ら料理し、切り盛りしています。
次々と人がやってきて、予約のお客さんであっという間に席がいっぱい。
私としては気持ちよく磨かれた白木のカウンターのあるお店を訪れたのが上海では久しぶりで、座っただけで嬉しくなりました。
料理は「ザンギ」や「いももち」をはじめ、手作りの北海道の家庭料理が中心に揃います。
いももちは初めて食べましたが、ジャガイモを練り上げて焼いた北海道の定番の家庭料理だそう。
外はパリリ、中はモチモチ。とてもやさしい味わい。
一緒に訪れた上海人の女性は、小さい頃に食べたおやつに似ている気がすると言って喜んでいました。
その場で少しずつ作っているため、できたてを味わえます。
料理はシンプルに仕上げたものが多いそうですが、ひとつひとつが丁寧。ザンギにしても手羽先揚げにしても、食感がとてもいいんです。
驚きというより、心のこもった温かさを感じられる料理でした。
価格も今の上海においてとっても良心的。
居酒屋ではないし、気取った割烹でもない。
「食堂」という名前をつけたところに心意気が感じられます。
上海には正直、日本人からすると値段に見合っていると言えないような高級日本料理店、あるいはあまりにくだけた居酒屋が多くて、そういうところに行くたびにどこか腑に落ちない気持ちがしていました。
和食を食べたらほっとするはずなのに。
「眞田食堂」は地元のお客さんであふれ、7時を過ぎると完全に戦場と化していました。それにしても、いいお客さんが多いなあという印象。
もう少し遅い時間になると欧米人のお客さんも来るそうです。
スタッフもみんな感じがよくて一生懸命。
気取らず、媚びずに、自分がいいと思うことを表すことは、海外ではなかなかできることではありません。
このお店にいて感じられるのは、真田さんの人や文化に対するニュートラルで敬意のある姿勢。それが本当に日本らしくて、だから安心するのだと思います。
こんなお店を待っていました!
眞田食堂
住所:進賢路126号
Tel:021-5279-7589