爆竹の鳴らない旧正月と、中国のおせち料理
今年の旧正月、上海の市街地では徹底して爆竹と花火が禁止されました。販売も禁止です。2016年1月1日より「上海市煙花爆竹安全管理条例」が施行され、違反者には罰則が科されることになったようです。
旧正月前には公安局から携帯にショートメッセージで禁止の告知が送られてきたうえ、マンションの一部屋一部屋に条例を案内する紙が配られました。
大晦日にはボランティアらしきパトロール隊を何度も見かけました。
そうは言っても誰か一人くらいは鳴らすのではと思っていましたが、少なくとも私の家の周辺では本当に一つも聞こえず、驚くくらい静かな旧正月でした。
帰省する人が多いので人が少なく、空気も例年に比べてずっときれい。個人的には花火がないのはちょっと残念だったものの、街が静かなことがなんだか新鮮です。
意外だったのは地元上海人の反応。
伝統行事が禁止されてさぞかしがっかりしているだろうと思っていたのですが、若い世代を中心に、かなり歓迎ムードなのです。
「静かなほうがいい!」
「渋滞がないし、爆竹で怪我をする危険もないし、本当に快適」
「空気を汚さないほうが大事だよ」
といった意見を直接聞きましたし、Wechat上でも多数見られました。
もちろん不満な人もたくさんいるでしょうが、ちゃっかり「電子爆竹」も登場しているあたり、切り替えの早さはさすが上海という気がします。
そんな静かでのどかな旧正月、年末にもご馳走になった寧波料理の「源茂苑酒店」から今度は新年会に呼ばれました。
中国南方のお正月料理の代表、「全家福」がこの日も出てきました。私は上海でほぼ毎年この料理を食べている気がします。卵の皮で包んだ卵餃子、肉団子、春雨、中華ハム、エビや野菜などを土鍋で煮込んだ鍋料理です。栄養満点。
これは何年か前に別のお店で食べたもの。スタンダードなタイプの全家福です。
「湯團(タントゥアン)」という白玉団子を使ったスイーツ(甘くないタイプもあります)もお正月の定番です。この日の湯團は手作り。黒ゴマ餡が入った白玉団子は、やわらくてモチモチ。汁には甘酒と卵、キンモクセイが使われていました。香りがよくてアツアツで、本当においしかった。
キンモクセイはオーナーのお母様が昨秋に摘んで乾燥させたもの。なんでも中秋節の後3日の間にとれるものが一番香りがいいそうです。
中国のお正月料理は日本のおせち料理のように保存のきくものもありますし、縁起のいい素材や語呂あわせの料理があることも同じ。ただし、重箱に詰めるわけではなく、基本的には温かい料理が多いように思います。
「源茂苑酒店」のお正月料理については、こちらのコラムでも紹介しています。
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さて、ここで上海に住んでいる方へお知らせ。
上海でおなじみのフラワー&雑貨ショップ「The Beast 野獣派」iapm店にカフェがオープンしました。陝西南路側の入口から入ってエスカレーターで2階へ上がり、すぐの通路を左奥に進んだところにあります。
2月中は1杯買うともう1杯を無料でもらえるキャンペーンを開催中。iapmへ訪れた際はぜひ寄ってみてください。