今日も上海日和。

森麻衣佳のAll About公式ブログ。上海で起きていること、日々のこと。

日本の「お弁当力」はなぜ注目されるのか

 

最近、上海の雑貨店で「日式便当盒」と呼ばれる日本のお弁当箱をよく目にします。

 

食の専門誌を編集している中国の友人によれば、「お弁当作りはここ数年の上海でちょっとしたブーム」だそう。韓国の保温お弁当箱もなかなかの人気のようですが、箱のデザインも中身も注目度がダントツで高いのは日本のお弁当。

「日本のお弁当は本当にきれい! 詰め方も繊細だし、愛情が感じられて素敵。ネットで日本のお弁当を見て、自分も作ってみたい、作ってもらいたいと憧れる人が増えている」とのこと。

 

なかでも人気はキャラ弁。ピカチュウやリラックマ、最近はベイマックス弁当も流行。中国人の中には、日本の家庭で作るお弁当は全部キャラ弁だと思っている人もいます(!)。

お弁当は「便当」や「Bento」と表され、中国メディアには

 

「簡単でカワイイBentoレシピ10」

「超萌え便当はどう作る?」

「食べるのがもったいない! 日本の華麗な便当」

 

といった言葉があふれています。

日本で話題になった妻の仕返し弁当、娘への嫌がらせ弁当も、中国のSNSでずいぶんシェアされました。

 

中国の学校は基本的に給食や学食があるため、お弁当を日常的に作る習慣がありません。

給食よりも手作りのものを食べさせたいという親のほか、オフィスでのランチ、休日に家族で出かけるときの昼食を趣味的に作る人が増えているようです。

 

昨年、「行楽」という中国の雑誌がお弁当特集を組んだ際も、結構な反響があったと聞きました。この雑誌は日本の観光やライフスタイルをテーマにした専門誌(スタッフはほぼ全員中国人)。特集にあわせてお弁当コンテストを開催し、中国人からも日本人からも多くの応募があったそうです。

 

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入選作品を誌面で紹介。中国人、日本人、男女とも様々な人が応募。キャラ弁率高し。

 

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昨年の優勝作品。上海人女性が作ったお弁当です。

 

同誌社長の袁静さんによれば、お弁当作りが注目される背景として、「社会が豊かになって主婦層が生まれ、料理が好きな女性が増えたことが大きいと思います。また、経済力がついたことで、男女とも個性のあるものを求めるようになったのではないでしょうか」とのこと。

お弁当に限らずDIYはホワイトカラーの間で全体的なブーム。パンやケーキ作りの教室も人気だそうです。

 

お弁当の話をしていたら、友人から「今度お弁当を持ってきてよ。日本人だから超カワイイの作れるよね?」と、微妙にプレッシャー。

超萌え便当はどう作る????  あ、その前に日式便当盒を持っていなかった。

  

 

中国に住んでいる人へお知らせ

雑誌「行楽」で第2回お弁当コンテストの作品を募集しています。

応募はメールで。自分で作ったお弁当の写真(3MB以内)と“愛心コメント”(誰にどんな気持ちを込めたかなどを150字前後で。日本語でOK)を送信するだけ。テーマは自由です。締め切りは3月14日(土)中と間近!

日本の企業や団体も協賛し、JALの航空券をはじめ豪華な賞品を用意しているそうです。

4月11日(土)に上海で授賞式があります。日本のお弁当力、ぜひ発信してください。

応募アドレスはこちら→info@zensy.com

 

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応募メールには名前(orニックネーム)と携帯電話番号も記載を。

 

 

 

 

うさぎ・・・料理のお店に行ってしまった

先日、同年代の友人たちと「兎当家」を訪れました。

店名の通りうさぎサマを看板料理にした気軽な四川料理店です。

 

ここの料理は上海の有名シェフがプロデュース。上海では最近、有名店のセカンドラインや有名シェフが監修するカジュアルなお店が増えているのです。

 

うさぎ自体はフランス料理で食べたことがありましたが、ジビエのLapinのイメージとは別物。

炭を使って皮が飴色になるまで炙り焼きにし、香辛料やピーナッツと一緒にエネルギッシュにあわせたりする感じがまさに中華。臭みがなく、味もほどよく淡白。ビールにあいます。

坦々麺に水餃子、串おでんといったうさぎ以外の料理もありました。どれも安い。 

上海料理ではうさぎは使わないため、この日初めて食べたという上海人もいました。

 

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ポップな店構えでも、出てくるものはディープ。

 

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北京ダックでも仔豚の丸焼きでもなく、うさぎがクルクルと・・・

 

ちなみに、辛く味付けして煮込んだ「兎頭」もこのお店の名物の一つ。お皿に頭だけが3つくらいのせられて登場。見た目が少し、というか結構グロテスク。解体してもらったものの、食感もなんとなくラビット感が・・・・・・。

 

それにしても、うさぎやらカエルやら、鳩やらザリガニやら、中国はまあ本当に何でも料理します。でもよく考えたらどれもフランス料理でも使われる食材ですね。

食の大国どうし、何かと共通点が多いのかもしれません。

 

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キリンのフローズン生ビールがここで飲めます。

 

兎当家

上海市武夷路433号

 

 

 

 

 

グループチャットに届いた、電子マネーのお年玉

  

2015年は2月19日が旧正月の初日だった中国。連休が明け、ようやく街もいつも通りになってきました。

 

日本での爆買いも話題になりましたが、今年の春節、中国で大変なブームになったのはスマホで贈る電子の紅包(ホンバオ)。つまり、電子マネーのお年玉です。

なかでも微信(ウェイシン、Wechat)というLINEのようなメッセージアプリを使った「微信紅包」が爆発的な大ヒット。

 

驚いたのは友人や同僚などとのグループチャットでの紅包のやりとり。

中国では紅包を配ることで財運がよくなるという考え方もあるようで、お年玉は家族や親戚との間だけのものではないようです。

 

たとえば5人のグループチャットで誰かが50元のお年玉を送信するとします。チャット上に送信された電子紅包をタップすると、ある人は0.7元、ある人は15元といった感じでかなりランダムに金額が振り分けられ、Wechatアプリ内のウォレットに自動的に振り込まれる仕組み。受け取った側には誰にいくら当たったかという一覧が一瞬だけ表示されます。

 

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送られてきた時点では金額が表示されないところがポイント。

 

人数は自由に設定でき、10人のグループチャットで5人の設定にして送信すると、早くタップした先着5名にお金が振り込まれるようです。新年の運試し的な要素もあり、まさにゲーム感覚。小額の紅包を何度も贈りあう現象が起きました(グループチャットでの送金額は上限があるようです)。

 

私も中国人の友人とグループチャットをしており、何度か紅包が送られてきました。はじめは躊躇したものの、気になってタップしたところ、総額11元(200円くらい)獲得。おお、ジュース買える。

 

知人の中には春節の期間だけで数千元の電子マネーを獲得したつわものもいます。

セキュリティー面では課題がありそうですし、お金をゲーム感覚でやりとりすることに眉をひそめる人もいるでしょうが、中国はこういったデジタル分野においては作る側の進化も使う側の受け入れ方も、ものすごくスピードが速い。

 

それにしても上海ではスマホも電子マネーも本当に普及しています。

若い人だけではなく、50代以上の人でも使いこなしているのがすごいところ。

 

旧正月の15日にあたる3月5日の元宵節で、春節はフィナーレとなります。

 

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羊の前にある赤い封筒が本来のお年玉袋。