上海ならではのビールを飲むなら「Reberg Brewpub」で
少し前まで日本に帰っていました。日本はなんて暑いんだろうと思っていたのに、上海は輪をかけて蒸し暑い・・・。
夏は夜。上海の暑い夜はビールがないと始まりません。
先月、「Reberg Brewpub」を訪れました。上海のクラフトビールブランドReberg(リバーグ)が今年オープンさせた直営のビアレストランです。元々このブランドが手がけていたレストランをリニューアル。
リバーグについてはこちらの記事でも紹介しています。↓
このレストランにはリバーグブランドだけでなく上海や南京で作られている別ブランドの生ビールや輸入ビールも揃えています。全部で40種類ほど。
ミニグラスの生ビール4種のテイスティングセット(30元)もあります。
リバーグオリジナルの生ビールは28元。
中国のビールはアルコール度が4%前後と低め。リバーグも同様で、私にはちょっと軽く感じてしまうのですが、あっさりしたクラフトビールも夏はアリです。
料理も全体的にいい感じです。おすすめはピリ辛風味の鶏のから揚げ。ビールを使ってスモーク仕立てにしているそうです。ステーキサラダやサーモンパスタもいけます。
料理長は市内の人気イタリア料理店で修業した経験があるそう。
今年新しく発売された天然果汁入りビール「HEEY 2」ももちろん飲めます。マンゴーとブルーベリー、ピーチの3種類。ウサギがデザインされたカラフルなボトルがキュート。上海で今、結構人気です。すっきりした甘さなのでビール好きの人でもいけると思います。ランチにもぴったり。
このビアレストラン、開店は平日も休日もなんと朝10時(!)から。ランチビールどころかブレックファストビールができるんです。夜は11時まで、週末は深夜1時まで営業しています。
そうそう、ここでボトルビールを購入すると30%オフになることを思い出しました。私は普段あまり行かないエリアなのですが、夏のうちにまた訪れる機会をつくらなくては。
Reberg Brewpub
程家橋支路201号 聖倫蘭大厦1A
四川の美大から上海へ。新世代アーティストの力
上海のギャラリー「龍門雅集 Longmen Art Projects」で9月5日まで開催する企画展のオープニングに行ってきました。
企画タイトルは「川 從感知到場域 From Perception to Domain」。
重慶にある四川美術学院出身の新世代アーティストによるグループ展です。孟暁陽、劉斯博、陳啓琳、常叡の4名で、全員が1987年以降生まれという若さ。絵画の新潮流の担い手といわれる世代です。
四川美術学院は美術大学の名門校として知られています。中国の他の美大よりも自由で独自性を重んじる校風だとか。今回の4人は今も学院の研究生として重慶で活動しています。
ユニークだったのは劉斯博による作品「老友記」。
老友とは古い友だちという意味で、中国にとっての昔からの友人である世界の指導者54人の顔をトランプ仕立てにした水彩画です。滲んだタッチで描く表情が独特。
日本人では田中角栄、大平正芳、村山富市元首相が描かれていました。中国の若い世代が思う古きよき日本の友人はこの3人なのですね。
日本の元首相たちはダイヤの3,4,7に。54人の顔ぶれを見ていくと色々考えさせられます。
ジョーカーはベルリンの壁にも描かれているこの二人。
作者の劉斯博は1989年生まれの現在26歳。彼の作品では他に映像アートもありました。
他の3人は油絵です。初日の数時間で「老友記」を含め、売約になった作品がちらほら。若い才能に早くから注目している人がいるのだなあと思いました。
ちなみに、このギャラリーの常設スペースではワラッセ・ティン(丁雄泉)の作品を展示しています。欧米で活躍した上海ゆかりの世界的な画家です。日本ではあまり知られていませんが、こちらも、とてもとてもおすすめ。
ワラッセ・ティンとギャラリー龍門雅集についてはこちらの記事でも紹介しています。
このギャラリー、VIP用に奥にバーがあるんです。
黄浦区南京西路338号 天安中心大厦102室
月曜休
能作の錫で“クールジャパン”な夜
香港人が上海に開いた日本酒バー「Cordurov 鋭壹堂」にて、富山県高岡発の鋳物メーカー「能作」と日本酒のコラボレーションイベントがありました。
錫(すず)の酒器や食器を使って、日本酒と和のおつまみを楽しむというもの。
実はその前に香港と上海のKee Clubという会員制サロンでもCordurovプロデュースによる興味深いイベントが開催されました。能作×アラン・デュカス出身のシェフによる錫器とフレンチの饗宴です(こっちも行きたかった!)。
錫の酒器でお酒を飲むとおいしいとは聞きますが、本当に格別。
錫の成分がお酒の雑味を除き、まろやかな口当たりにするのだとか。唇をつけたときのひやりとした感触もなんともいえません。
日本酒自体も静岡の「初亀」ほか、素晴らしいものばかりでした。
能作からは社長さんとスタッフの武田さんがいらっしゃいました。酒器や食器、箸置きなどどれも美しく、実際に使ってみることでさらによさがわかります。(写真提供/Cordurov)
この日の料理は北海道の人気旅館からいらっしゃった真田氏によるもの。すべて能作の器に盛り付け。おいしかったです。
一連のイベントはこのバーのオーナーが能作にほれこんで企画したものなのだとか。「日本」や「伝統」を押しつけることのない、洗練されたプレゼンテーションが印象的。
6時から始まった会でしたが、12時以降にやって来るのはほぼ全員中国人でした(私はどれだけ長居していたんだ・・・)。
外国人が仕掛けた日本文化のプロモーションを外国人と楽しむという不思議な時間。
「クールジャパン」のイメージは、日本らしさの概念にとらわれない人がディレクションするほうがクールに打ち出せるのかなあと思った、上海の夜でした。
能作は現在、香港でもポップアップストアを展開中だそうです。期間は7月末までです。
石橋シェフの新しいビストロ「RACiNES」へ
上海在住の日本人の間で有名なビストロ「La queue du chiot(ラクードシオ)」の石橋健児シェフがお店を離れ、新しいレストランを始めました。
その名も「RACiNES」。看板のない隠れ家レストランです。
こちらでもオープンキッチンのスタイルをとっていますが、個室もあり、一つ一つの席もゆったりとしたスペースがあります。インテリアも温かみのあるいい雰囲気。
ラタトゥイユにフォアグラのリゾットなど、石橋シェフらしい誠実な仕事が感じられる料理がアラカルトで揃います。
カウンター席もあるので、一人でフレンチを楽しむこともできます。
私の食いしん坊仲間の中国人も「Kenjiの店」のファン。開店の知らせを聞いてすぐに訪れていました。
メインの料理は150~200元くらいのものが中心。シェアできる量があります。
オープンは18時から。夜のみの営業です。
RACiNES
徐匯区広元路41号
(ローカルの果物店の隣にある白い扉が入口です)
Tel:021-6448-3851
「La queue du chiot」にも新しく日本人シェフが来たそうです。機会があれば訪れてみたいと思います。
アンダーズ上海と、これからの日本料理店
ここ最近、ホテルを訪れる機会が続きました。
印象的だったのは、アンダーズ上海に今年登場した「88 Sushi /Bento/Bar」。中2階のスチールコクーンを利用したスペースにあります。
インテリアはモダン&エキゾチック。カウンターのあるジャパニーズダイニングです。
日本のインテリアデザイン会社Tofuが手がけたモダンな空間。異国情緒も感じられます。
ランチは松花堂弁当(188元)と雅弁当、ちらし定食(各138元)の3種。
二段重ねの大きな木のお重に詰められた、目にも美しいお弁当です。味噌汁と茶碗蒸し、デザート付き。
松花堂弁当。個人的な感想としては、茶碗蒸しやお寿司は日本の味とは少し違うかなと思ったものの、お惣菜はどれもいい感じにまとまっていました。たぶん、上海人も好きな味。
夜は単品でも頼めるので、洗練されたダイニングバーのようにして使うといいかもしれません。値段も上海のラグジュアリーホテルにしてはおトクだと思います。
料理長は日本人です。中国でのホテル経験が長く、なんと上海語も堪能。また、アンダーズ上海のダイニングを総監督するエグゼクティブシェフのジャクリーン・チウさんが時々チェックに回って来ます。
ジャクリーンさんは中国でとても有名な上海出身の女性シェフ。以前はパークハイアットでも料理長を務め、料理にも人にも真摯で温かい姿勢が魅力的な人です。中国人や欧米人の心にも響く細部まで気の利いた店のつくりは、彼女の目が行き届いているからこそかもしれません。専門がフレンチであるジャクリーンさんの姿をジャパニーズダイニングでも見かけることができるなんて、なんだか感動。
宇宙船のようなスチールコクーンの中に「88」があります。
東京や京都で本場の和食を味わったことのある中国人が急増するにつれ、上海にある日本料理店への見方が以前よりシビアになってきているように感じます。味だけでなく、サービスやインテリア、価格設定も含めて。
もしかすると上海の日本料理店はこれから一気にレベルアップしていくかもしれない。
「88 Sushi /Bento/Bar」を訪れ、そんな予感を抱きました。
アンダーズ新天地上海 88 Sushi/Bento/Bar
嵩山路88号
上海自然博物館のお土産のことなど
4月にオープンした上海自然博物館の記事をアップしました。
ミュージアムショップのグッズなどの写真をこちらのブログでも紹介。
地下2階のほうのショップにて。
アザラシの赤ちゃん。産まれたて?
化石マグ。79元します。
木製の動物シリーズ。表情がなかなか渋い。
キリンのサイズが大充実。
チャイナテイストのお土産はほとんどありませんが、動物モチーフの割とかわいい系が多いです。よく探せばお気に入りが見つかるかもしれません。
そのほか、館内の展示色々。
こ、これは・・・・・・
体が半分解体された恐竜の展示。動いて吼えます。なかなかシュール。
開館から約1ヶ月半。まだまだ混んでいて、朝一に訪れてもチケット売り場に行列ができていました。
行列といえば、先週浦東にオープンしたディズニーストアは初日に1キロの列ができたとかで相当混んでいるようですし、3日前の27日はデパートらしき空間に並ぶ長蛇の列の写真をWechatに投稿する人が多数。何かと思ったら、グッチが5割引セールを行ったそうです。商品が飛ぶように売れたとか。
上海のみなさん、よく並び、よく買います。
平均寿命82歳! 上海人がすすめる中国ハーブティー3種
日本人の平均寿命は84歳。世界一の長寿国を維持したことがニュースになりました。
中国全体の平均寿命は75歳ですが、上海だけのデータをみると男性80歳、女性84歳で、平均82歳。東京の人の平均寿命とほぼ同じです。
上海は医療機関が発達しているため中国の中でも長寿なのだと思いますが、介護なしで生活できる、いわゆる健康寿命もかなり長い気がします。
街で見かけるお年寄りが全体的になんというか、超元気。
大きな声でよく話し、よく笑い、朝からよく食べ、運動し、運転の荒いバスでも涼しい顔で乗りこなす人が多数。
70代以上でもスマホでチャットをする人が結構います。
先日はウェイシン(Wechat)で病院の受診申請(整理番号の取得)ができるようになったと話題になりましたが、これもお年寄りにスマホが普及しているからこその機能です。
彼らの元気の秘密は何か。現地にいると色々思い浮かびますが、飲食の習慣、なかでもお茶はその一つだと思います。
お茶といっても茶葉だけではありません。中国ならではのハーブティーもたくさんあり、普段から自分の体質や体調にあわせて飲んでいる人が多いのです。
以下、上海人に教えてもらったハーブティー3種。
①雪菊茶
新疆の山岳地帯でとれるオレンジ色の小さな花。血糖値を下げる効果があるそうで、糖尿病の人がよく飲んでいます。
紅茶のような色が出ます。普通においしいです。紅茶の茶葉と一緒に淹れてもいいそうです。
お茶のお店などで売っています。
②滁菊茶
最近友人から紹介してもらったのが、「滁州貢菊」という安徽省でとれるハーブティー。
滁菊は中国四大菊(なんてあるんですね)の筆頭に数えられる有名な菊だそう。
高血圧の治療作用や解毒作用があるといわれ、目や肝臓にもいいそうです。
濃厚なカモミールティー、といった味わいです。
時間が経つと変色してくるので、早めに飲むのがいいみたいです。
※上海ではここだけで扱っているとのこと。
上海臻縁茶業経営部
閘北区普善路290号B-6室
③黒クコ茶
黒い野生のクコを乾燥させたもの。
お湯を注ぐと目のさめるような天然のブルーに!
本当かどうかわかりませんが、黒クコは免疫力を高める作用やアンチエイジング効果が抜群に高いといわれています。
クコの実自体には少し甘みがありますが、お茶はクセがないのでカクテルにもできそう。
乾物ショップなどで手に入れられます。
中国の人は体にいいからといってやみくもに飲むのではなく、どういうお茶を、いつ、どれくらい飲むか、ということを心得ている気がします。
食べ物も体質や体調にあわせ、食材の組み合わせや、いつ何を食べるかと考えて食事する人が本当に多いです。
食の安全や空気の問題がたびたび報じられますが・・・・・・そこは東洋医学や医食同源の本場。未知のモノやコトがまだまだたくさんあります。
朝、椅子を積んだリヤカーに遭遇。どうやって積んだのか、どう運ぶのか、その元気はどこから来るのか・・・・・・