四川の美大から上海へ。新世代アーティストの力
上海のギャラリー「龍門雅集 Longmen Art Projects」で9月5日まで開催する企画展のオープニングに行ってきました。
企画タイトルは「川 從感知到場域 From Perception to Domain」。
重慶にある四川美術学院出身の新世代アーティストによるグループ展です。孟暁陽、劉斯博、陳啓琳、常叡の4名で、全員が1987年以降生まれという若さ。絵画の新潮流の担い手といわれる世代です。
四川美術学院は美術大学の名門校として知られています。中国の他の美大よりも自由で独自性を重んじる校風だとか。今回の4人は今も学院の研究生として重慶で活動しています。
ユニークだったのは劉斯博による作品「老友記」。
老友とは古い友だちという意味で、中国にとっての昔からの友人である世界の指導者54人の顔をトランプ仕立てにした水彩画です。滲んだタッチで描く表情が独特。
日本人では田中角栄、大平正芳、村山富市元首相が描かれていました。中国の若い世代が思う古きよき日本の友人はこの3人なのですね。
日本の元首相たちはダイヤの3,4,7に。54人の顔ぶれを見ていくと色々考えさせられます。
ジョーカーはベルリンの壁にも描かれているこの二人。
作者の劉斯博は1989年生まれの現在26歳。彼の作品では他に映像アートもありました。
他の3人は油絵です。初日の数時間で「老友記」を含め、売約になった作品がちらほら。若い才能に早くから注目している人がいるのだなあと思いました。
ちなみに、このギャラリーの常設スペースではワラッセ・ティン(丁雄泉)の作品を展示しています。欧米で活躍した上海ゆかりの世界的な画家です。日本ではあまり知られていませんが、こちらも、とてもとてもおすすめ。
ワラッセ・ティンとギャラリー龍門雅集についてはこちらの記事でも紹介しています。
このギャラリー、VIP用に奥にバーがあるんです。
黄浦区南京西路338号 天安中心大厦102室
月曜休