デジタル系の動きが気になる、上海ブックフェア
上海ブックフェアに行ってきました。
毎年大混雑する規模の大きい展示会です。先週、雨が降ったタイミングでのぞいてきました。
割とスムーズに入場できましたが、中に入ると人、人、人!
ほとんどのブースで本を割引価格で販売していて、完全にバーゲンセール会場の雰囲気。
一人で何十冊も買っている人が多数。まさに本の爆買い。業者というより、多くが個人のお客さんのように見えます。購入した本を発送できるカウンターもありました。
中国ではオンライン書店ができてから一般の書店が激減してしまったので、こうやって目の前で本が売れていく光景は新鮮です。
作家によるサイン会や講演、公開インタビューなどもあちこちで行われていました。
場所は上海展覧中心です。広い。
すごい活気でしたが、少し気になったのは出店のラインアップ。
本のブースを大々的に出していたのはどこも有名な大手出版社。ただ、このフェアだけを見て中国の出版状況の今がわかるかというと、ちょっと疑問です。中国には「出版社」とは名乗れないけれど話題の本を制作している会社がたくさんあるからです。雑誌社も管轄が異なるため、基本的には参加していません。
印象的だったのはデジタル方面です。
読書のためのデジタルプラットフォームは中国には既にいくつもあるのですが、国営の出版社でさえも独自に読書アプリを開発していたことに驚き。これが結構立派なつくりなんです。
また、アマゾン中国はキンドルブランドだけのブースを出していました。
さらに、一番目を引いたのはオーディオブック。
配信会社のアプリをダウンロードすれば即利用可能。豊富なタイトルがすべて無料だそうで、ユーザー数が急増しているとか・・・Audibleとは仕組みが違うんですね。この動きは要注目のような気がします。
QRコードを読み取るタイプのカタログもありました。ベストセラーも多数揃っています。
中国の人は小説が大好きです。
電子で読むのが一般的ですが、それでも、会場にあれだけの人が詰めかけて書籍を買っているので、紙の良質な本も必要とされていることは確かだと思います。
これからの時代の出版のあり方を考えさせられました。